マイニング 暗号資産

ZCASH価格とマイニング展望‐半減期後の世界

ZEC価格が急騰する一方、昔ながらのZCASHマイナーには厳しい時代が到来?

11月18日のZCASH初の半減期に向けてのカウントダウンZEC価格マイニングはどうなるか?

価格

https://youtu.be/ybxsFG9tT18

3年に及ぶ下げ相場を経て、多くのアナリストがついにZCASHに上げ相場到来を予想!

ZCASH相場の最大の問題は年率25%にもなるインフレーション(新コイン生成による希薄化)。他のコイン(BTC 1.7% / DASH 5.9% /XMR 2.0%)に比べ極端なインフレが恒常的な下げ相場を形成。

BitcoinとZCASHの日次の「マイニングによる新規ブロック生成量÷取引高」を下表にて比較。

2020年5月の半減期以降、Bitcoinは一日BTC 900が新規に生成され、取引高はBTC 1-7mn程度。日次の 新規ブロック生成量÷取引高はだいたい0.04-0.07%。

一方ZCASHではこの比率はBitcoinの2-4倍にもなる0.1-0.23%。来る11月18日の半減期によりZCASHの新規ブロック生成は半分になるため、ZCASHの当該比率はようやくBitcoinに近い水準にまで低下する見通し。この点は今後のZCASHの価格形成にポジティブ。

一点マイナーとして補足したいのは、BitcoinとZCASHではマイニングによる希薄化の影響が大いに異なるという点。Bitcoinではマイナーは採掘したBTCをそのまま保持し、またマイニングマシン購入の支払いはBTCで行う場合多い。もちろん経費の支払いや利益確定のためBTCを法定通貨に交換することはあるが、やはりアルトコインに比べマイナーによる売り圧力はそこまで強くない。一方ZCASHでは、多くのマイニングプールが採掘したZECを自動でBTCに交換して出金する機能を提供。そのため採掘されたZECは即座にZEC売りを形成。半減期によりZCASHのマイニングによる希薄化が弱まっても、やはりマイナーによる日々のZECの売り圧力はBTCに比し圧倒的に強力。

テクニカル分析の観点では、ZCASHは$47-$67の価格帯でボリュームゾーンを形成し、本投稿時点でもこのレンジの価格で推移。運悪くアルトシーズンも終わりZEC価格も下落傾向。もし価格が$47のレンジを下回ると、この$47-$67のボリュームゾーンが強力なレジスタンスとして上げ相場開始を遅らせる可能性。

逆にひとたび$70に突入したらレジスタンスは限定的なため、半減期上げ相場が現実的なストーリーとなる。BNCのアナリストは短期で$90、中期で$180をターゲット価格に設定するが、アナリストによって価格予想には大きな隔たり

直近のEthereumチェーン上の”Wrapped” ZCASHもZCASH価格形成にポジティブな要素。

マイニング

LuxorプールがZCASHマイニングのマシンモデル毎のハッシュレートシェアを公開している。(Luxorのユーザーは比較的新しいモデルを使用する傾向にある点注意)

上記チャート、及び、6月のZ15マシンリリース後のハッシュレートの動向(直近は6.0-7.0 Gsol/s程度)を参考に、10月時点のマシンモデル毎の稼働台数を下表にて推測(GPUマイナーは無視)。Bitmainによるプロモーションにも関わらず、Z15の稼働台数は目下4,000台程度しかないと予想。これは(i)最近のZEC価格回復に伴い古いモデルでも十分利益が上がり、、また(ii)マイナーが半減期後のZ15の値引きを待っているためと推察。

ここから先は完全なる個人的推測。上記の10月時点のマシンモデル毎の稼働台数を電気代別に割り振り。

マイニング業界の平均電気代は4-5 cents/kWhで、最近は3 cents/kWhに主戦場が移りつつある。

収益性の高いZCASHのマイニングでは平均的な電気代のマイナー(5 cents/kWh)にボリュームゾーンが集中していると予想。一方、ヨーロッパ等に残る8-10 cents/kWhで操業する昔ながらのマイナーもZCASHマイニングでは未だ生き残っているが、そういったマイナーはZ15への追加投資はほとんど行わず徐々に廃業していくものと推測。

さて、半減期後このZCASHマイニング業界はどうなるか?

半減期後に2,000台のZ15(0.8 GSol/s)が追加で市場に出回り、一方ZEC価格はボリュームゾーンの真ん中$57に留まるケースを想定。この場合マイニング報酬が半減し、Z9 miniやZ9 / A9世代のマイナーは赤字化するため操業を停止。この古いモデルの操業停止により、ネットーワークハッシュレートは現状と大きく変わらず7.0GSol/s程度になるものと予想。個人的にはこの状態(下表)が11月18日の半減期以降のZCASHマイニングのスタートポイントになるものと予想。

この半減期後の動乱を経ての数か月で、さらに2,000台のZ15が稼働を開始し、時を同じくZEC/USDが上げ相場に入り、価格が$90の心理的レジスタンスレベルに達したケースを想定。こうなると下表のようにZCASHはマイニング天国。Z15マイナーは70%以上のマージンを享受し、Z11 / A9++マイナーは8 cents/kWhの電気代でも生き残り可能。3 cents/kWhのマイナーが半減期で操業を停止したZ9 mini / Z9 / A9 / Z11 / A9++の一部を購入し、ハッシュレートは8.2GSol/sに達するものと想定。

逆に最悪のケースも想定。ZEC/USDがボリュームゾーンの下でトラップされ、$35にまで価格が低下したと想定。この場合Z9 miniは完全に稼働停止となり、Z9 / A9は平均的5 cents/kWhの電気代でも生き残り不可。ハッシュレートは6.0 GSol/sにまで低下。このようなストーリーは十分起こり得る。一旦ZEC/USDが$47を割ると低レンジでの価格調整は長引くものと予想。

この分析がZCASHマイナーの手助けになれば幸いです。

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