オーバークロックは売上を最大化/アンダークロックはマージンを最大化
マイニングマシンに専用のファームウェアをインストールしてハッシュレートや消費電力を調整することを、オーバークロック(ハッシュレート増加)あるいはアンダークロック(ハッシュレート減少)と呼ぶ。
MSKMINERやOKKONGがファームウェアメーカーとして有名どころ。他にもVNISHI / Asic.to、BTC.com、ASIC.WORLD、Efudd、Braiins OS+、ASICseer等がファームウェアを提供している。
各ファームウェアメーカーの商品ラインナップは以下。(メーカーによってはその他マニアックなモデル向けファームウェアを個別のクライアントに提供している場合もある)
ファームウェアの利用料はだいたい2-3%で、ハッシュレートから自動的に徴収。
では、こういった専用ファームウェアによりマイニングの収益性はどうなるか?OKKONGのS17向けファームウェアを例にシミュレーションしてみる。当該ファームウェアは32.6TH/sから71.6TH/sの範囲でS17のハッシュレートを調整可能(S17のデフォルトハッシュレートは53.0TH/s)。BTC/USD=$17,000、ネットワークハッシュレート135PH/s、電気代$0.08/kWh、ファームウェア利用料2.5%、プールフィー1%とし、ビットコインの取引手数料による収入は考えないものとする。
上表の通り、ハッシュレートを71.6TH/sにオーバークロックすると、一日当たり売上は$7.8で最大化されるが、電気効率が46.8W/THにまで悪化。一方、42.5TH/sにアンダークロックした場合に一日当たり利益は$1.7、また、37.6TH/sにアンダークロックした場合マージンは38.8%に改善される。これはアンダークロックの場合電気効率が改善するため。
- もし、非常に安い電気代でマイニングを行っている場合、オーバークロックで売上を最大化するのが良いかも
- 逆に電気代が高くてマージンが薄い場合アンダークロックで利益・マージンを改善すれば、古いモデルの寿命を延長可能
個別のマイニング環境に合った最適設定を見つけることが肝要。
我々の工場で実際に専用ファームウェアを使用した経験に基づく、オーバークロック・アンダークロックの留意点は以下:
- ファームウェアによってはマシン動作が極めて不安定になり頻繁に再起動が必要となる。マシンの寿命に悪影響を与える可能性もあり、新品のマシンにはこういったファームウェア使用しない方が良い
- オーバークロックでもアンダークロックでもマシンが加熱される場合あり
- 特に極端なオーバークロックでは液浸冷却が必要となる場合も
オーバークロック・アンダークロックについて詳しく知りたい場合は、HASHRATE INDEXが良記事を投稿しているので、そちらもご参照下さい。
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